アンデルセン童話、ベタだけど『小さい人魚姫』は傑作だった!
kakikenです。
個人的なことだが、ようやく多忙な時期が終わった。
仕事、仕事、仕事。
肝心な執筆がほとんど進まず、本末転倒。
売れない作家の哀しき現実。
そんな疲労で死にそうな中でも、何とか感覚鈍らせないために、合間の時間で読んでいたのがアンデルセン童話全集だった(短編しか集中力続かないので)。
読む順番がアンデルセンの晩年作品から読んでしまったので、このブログでも書いたけど『赤い靴』『かげぼうし』など闇、病みを感じる作品が多くて驚いたが、段々作品を遡っていく中で、アンデルセンの全盛期ともいえる頃の有名な作品に触れていくほど、
「やはりアンデルセンはすごいな」の評価に変わった。
病んでない頃のアンデルセンの作品は、これ抽象的な表現になるが、世界観が輝いているというか、美しい。
ある意味病んでいたアンデルセンの作品も読んでいて闇を感じるあたり、やっぱり優れた表現者なのだろうけど、やはり闇よりキラキラ光り輝く世界の方がいい。そりゃそうだよな、童話なんだから!
なかでも『小さい人魚姫』は内容含めて私好みの傑作だった(今まで読んだことが無かったのは恥ずかしい)。
内容は以下の通り。
人魚姫は人間の船が遭難した時、ある王子を助ける。人魚姫はその王子に恋焦がれて、魔女の力を借りて人間になる。そして王子に近づくのだけど、王子は結局別の姫と婚約する。魔女との約束で王子と婚約できなかった時、その体は消え去る運命に。しかし人魚姫の姉たちの尽力で魔法のナイフで王子を殺せば、元の人魚に戻ることが分かる。ナイフを渡された人魚姫は寝ている王子に近づき……。
結末が気になる人は個人で読んで!
主人公の人魚姫、とても美しく切なく描かれていた。
上手い!
その後まさか「かげぼうし」のような作品を書くとは想像つかない。
アンデルセンは童話を読み聞かせる大人、親を意識して童話を書いていたらしい。
童話としながら親、大人もターゲットにしたわけだ。
なるほど、童話の域を超えているはずだ。
アンデルセン童話は大人の読み物だな。